犬の暑さ対策━暑さで起こる病気と対処、夏のすごし方
■犬の暑さ対策━暑さで起こる病気と対処、夏のすごし方
人間を含め、哺乳類は体温が42℃を超えると生命に危機が生じます。
しかし犬の平均体温は人間よりも高く、38~39℃もあります。限界体温まで3~4℃しかないわけです。
ですから少しでも高温のところにいるだけで、体温が上昇し、熱射病になってしまいます。
夏場は特に熱射病による死亡事故もふえます。
中には、獣医自体 熱射病の診断を見逃し対処が遅れて死亡してしまうケースもあるそうです。
そんなことが無いように 飼い主様自身も、知っておいても良いことだと思いますので是非参考にしてください。
今の時期に特に注意をしたい【暑さによって起こる病気と対処法】についてをご紹介したいと思います。
1.浅速(せんそく)呼吸
汗は体を冷やす役割を持っていますが、その汗腺をほとんど持たない犬たちは、体温が上昇しても効率良く全身を冷やす方法がありません。
その代わりに犬たちは、舌を出して浅く早い呼吸(浅速呼吸)をすることで、唾液を蒸発させて体を冷やしていますが、周りの気温が高いと、この熱を発散する効率も落ちてしまいます。
犬が「ハッハッ・・・」と呼吸している時は、犬に直接当たらないようにクーラーや扇風機をつけてあげましょう。
また、冷やしすぎは風邪やクーラー病の元ですから、25℃前後に保ちましょう。
2.脱水症状
気温が35~40度にもなると、犬は唾液が出なくなってしまい、脱水症状を引き起こすこともあります。
水が飲めない状況、閉め切った風通しの悪い場所などでは、熱射病の危険性も高くなります。
お出かけの際は風通しをよくし、新鮮なお水をたっぷり用意してあげましょう。
3.熱射病対策
炎天下のお散歩などで、直射日光を浴びたり、風通しの悪い高温の場所(車中のお留守番)などにいると体温調節がうまく出来ずに、体温が上昇したまま下がらなくなります。
ぐったりし、苦しそうに呼吸をしていたら、「熱射病」の疑いが高くなります。
そのまま放置をすれば、ショック状態に陥りますし、意識がもうろうとしてきます。
1時間以内に体温を下げてあげないと、生命の危機に関わります。
熱射病を起こしたら、体全体に冷たい水をかけてあげたり、冷やしたタオルで体を包んであげるなどの応急処置をし、
病院に連れていき、速急に獣医師の診断を受けさせましょう。
【夏の過ごし方】
1.お散歩や運動
まずはいつものお散歩時間に、アスファルトを触ってみてください。
アスファルトは熱の吸収率が高いので、夏場の日中はとても暑いはずです。
運動やお散歩は、日が昇る前か日没後に行いましょう。
朝は8時前、夕方は6時以降が目安ですが、地域により猛暑日もありますので早朝や夜が良い場合を選んだ方が良い場合もあります。
また、そんな熱いアスファルトの上を歩くのですからやけどをすることもありますので、こまめにチェックしましょう。
やけどをしていたら、流水で30分以上冷やします。
気づくのが遅れても、1~2時間以内でしたら効果があります。
2.車の中でのお留守番
「ちょっと買い物する間なら大丈夫よねー。」そう油断する方は非常に多いですね。
でもその油断が子犬の命を奪うのです!短時間でも気温はぐんぐん上昇しますから、大変危険です。
そもそも、車内に置き去りにするのは基本的に×。留守番がかわいそうだから・・・と思って同行してしまっている飼い主さんは、どちらがワンコにとって安全かどうか考えてあげて下さい。
お出かけ中、どうしても車内に残していかなくてはいけない場合は少し窓を開け、必ず日陰に駐車をするようにしましょう。
3.飲み水と氷
飲み水は出来るだけ頻繁に取り替えてあげましょう。
また、氷を与えるのも簡単に体温を下げられるいい方法です。
ただ、水の飲みすぎは下痢の原因になりますので気をつけましょう。
4.体温を下げるには・・・
もし体温が上がってしまった場合の応急処置の仕方です。
・日陰に移動する。
・体に水をかける。
・ぬれたタオルで体を包む。こまめに冷たいものに換えてあげましょう。
・ 首の後ろに氷嚢を当てる。(脳に送られる血液が冷えて、効果大です)
・水を入れて凍らせたペットボトルやアイスノンを、タオルでくるんで与える。
ヘアゴムをタオルの上からきつく結んでおけばタオルがほどけません。
5.水遊びの後
水遊びも涼をとるいい方法ですが、遊んだ後は必ずドライヤーでコートを乾かします。
夏は皮膚病も多くなる時期。蒸れも皮膚病の原因になりますので気をつけましょう。
海で遊んだ後は海水をよく流します。塩がかゆみの原因となります。
6.フード、おやつ
夏はフードやおやつの保管も気をつけなければいけません。
おやつは冷蔵庫で保管するといいでしょう。
フードは、いつもより内容量が少ないものを購入すると良いでしょう。
食べ残しは30分ほどですぐ捨てるようにしましょう。
迎えてからすぐ習慣にし、日頃から食べ残しを置きっぱなしにしないようにします。